先日、息子と一緒に山を歩いた。
場所は七五岳と烏帽子岳。

出発の直前、
まさかの木から落ちて片手を負傷。
普通ならやめる判断になる場面だったけど、
本人は「行く」と言う。
少し様子を見て、大きな問題はなさそうだったので、
そのまま山に入ることにした。
山に入ると、さっきまでのことはどこへやら。
キノコや大きな木を見つけては立ち止まり、
カメラを持って自由に遊ぶ。
なかなか進まないけど、
それを急かすことはしない。
そのペースに合わせて歩いていると、
自分の感覚も少しずつ変わってくる。

子どもは、目的地に向かって歩いていない。
その場にあるものに反応して、
ただ楽しんでいる。
途中、天気は崩れ、風も強くなる。
大人のほうが、
時間や天候を気にしはじめる。
そんな中で、子どもは言う。
「雨は降るかもしれないけど、止むかもしれない」
「上に行こう、そっちのほうが景色がいいから」
「“やってみよう”でしょ」
どこからか出てくる言葉に、
背中を押されるような場面が何度もあった。
今回の山行は、
行くかやめるかの判断も含めて、
ほとんどを本人に任せていた。
途中でしんどそうな瞬間もあったけど、
最後まで歩き切った。
七五岳も烏帽子岳も、
風の強い中で登頂。
日が暮れる前に下山。
最後の3kmは、
先頭を歩いて、そのまま止まらず進み続けた。
正直、驚いた。

子どもと山に入ると、山の見え方が変わる。
速さでも、距離でもなく、
どう過ごすか。
その時間そのものが、体験になっていく。
いい条件の日だけを選んで山に入ることが多かったけど、
それは少しもったいなかったのかもしれない。
山の中で一番大事なのは、
きっとシンプルで、
「やってみること」
それだけだと思う。
